医療法人 神永皮膚科医院 亀井町,佐野市,栃木県、佐野駅 皮膚科

こんな皮膚病をこう治療します

アトピー性皮膚炎

  日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎の定義・診断基準と診療ガイドラインを参考にして、それぞれの患者さんに適した治療法を選んでいます。また、治りにくい場合には免疫抑制剤(ネオーラル)の内服治療も行う場合があります(重症の方限定)。使った患者さんのほとんどの方が、「すっきりした」「これまでの薬とは利き目が違う」とおっしゃっています。
  ステロイド外用剤を使いたくない、という方には、内服薬と外用薬の副作用の違いを説明しています。
 

尋常性乾癬

  (もちろん治る方もいますが)残念ながら治りが悪い病気です。しかし、新しい治療法も含め、感染しない(他人にうつらない)ことなどを説明し、患者さん同士が悩みや疑問を語り合う乾癬友の会の活動なども紹介しています。
  治療には、まずビタミンD3外用剤、ステロイド外用剤を使い、さらにはチガソン、免疫抑制剤を用いる場合もあります。それでも治りが悪い場合には、自治医大や佐野厚生総合病院に紹介して生物学的製剤の治療を勧めます。
 

じんましん(蕁麻疹)

  患者さんは、じんましん=アレルギー、じんましん=食べ物が原因、と思っている人が多いのですが、そうでないことを説明し、症状が治まってからの薬の減らし方など、ていねい指導しています。
 

にきび(尋常性痤瘡;じんじょうせいざそう)

  日本皮膚科学会のにきびの治療ガイドラインを参考にしています。「テレビCMの○○を使ったけど治らない」、「エステに行ってもひどくなる一方だ」、などという訴えにも、なぜそうなったのか、にきびはどうして出来るのか、それぞれの要因に対してどの薬をどのように使うのかなどを説明して、ていねいにお答えしています。
 

いぼ、その1(尋常性疣贅;じんじょうせいゆうぜい:ウイルスが原因のイボ)

  液体チッソを使う痛い治療が苦手な方はお読みください。
  治るまでに普通は長くかかる病気です(時々、驚くほど速く治ることもありますが)。治療は、保険が利くものとして、液体チッソ、漢方薬(ヨクイニン)、スピール膏などがあります。ほとんどの施設で液体チッソを使っていると思いますが、痛いのです! そこで、当院ではそれ以外の痛くない方法も行っています。保険が利かないものもありますが、施行前にはその旨をていねいに説明しますので、液体チッソで治療したがらない子供さんにお試しください。もちろん、大人の方でもかまいません。
 

いぼ、その2(みずいぼ。伝染性軟属腫;でんせんせいなんぞくしゅ:ウイルスが原因のイボ)

  痛くない方法で取っています。
  “ピンセット”でつまみ取りますが、その際に痛みを感じないか、感じても少しだけで済む方法で取っています。このイボは、自分自身にも拡がるし他人にも移すので、兄弟姉妹がいる、水泳教室に通っている、あるいは幼稚園・保育園に行っているお子さんにこれを見つけたら、マナーの問題としても採るべきだと考えています。特に春~夏に見つけたら、プール遊びで移りますので取ることをお勧めします。
 

皮膚癌

  多くの皮膚癌は、ダーモスコピーを使うなどしてていねいに診察すれば、高い精度で発見できます。疑わしい時には、以下の説明にある検査をすれば診断可能です。
  開業して5年が過ぎた頃だったでしょうか、医師会から市民講座「健康大学」で皮膚科の話をしてほしいと依頼があり、「カブレから皮膚癌まで」と題して話をしました。この時に、それまでに当院で見つけた皮膚癌をまとめました。50例近く、3か月に2例見つけた勘定でした。その内訳は、基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫(いわゆるホクロのがん)、乳房外パジェット病、皮膚T細胞リンパ腫、メルケル細胞癌、内臓癌の皮膚転移、などなどでした。
  今では、ダーモスコピーという強い味方があるので、当時よりも悪性黒色腫などの診断の精度がかなりアップしています。皮膚癌が心配な方は、気軽にご相談ください。なお、ダーモスコピーはまったく痛くありません。疑わしい場合には、直径4~5ミリ(必要ならもう少し大きく)の丸いメスで組織検査をします。この場合は局所麻酔をします。歯医者さんでの抜歯の時の感じと思ってください。標本は、病理医と私がていねいに診断します。結果が出るまでに、7~10日(標本を特別な染め方で追加検査するとさらに数日)かかります。
 

水虫(足白癬;あしはくせん:カビが原因。虫ではありません。)

  「足がかゆくて小さな水ぶくれがあるので、みずむしだ!と思い、薬局で薬を買って塗っていたけど治らない。」・・・こんな患者さんが時々来院します。たいていは「かぶれ」です。大事なことは、発疹の状態をていねいに診察して、かび(真菌といいます)がいないかどうかを顕微鏡で検査することです。
  准看学校の校長をしていたころのある年、4月に心構えなどを話すための講義時間枠が1時間あり、皮膚科の基本的な「テスト」をしました。授業は秋からなので、いわば「常識問題」でした。その中の一つに、「水虫の原因は小さな虫であり、かゆいのはそれが皮膚の中で動くためである」の問いに○か×をつけるものでした。○をつけた生徒も、今は正しい知識を身につけて巣立って行きました。
  治療の基本は、正確に診断した後、清潔・乾燥、外用薬です。爪のみずむしや特殊なタイプのものには内服薬を使うこともあります。
 

ヘルペス・みずぼうそう(水痘)

  ツァンクテストという検査法を使い、診断の精度を高めています。
  ヘルペスには、主に、①症状は軽いが繰り返す、単純性疱疹(くちびるなどによく出ます)と②とても痛くなるが、通常は1回しかかからない帯状疱疹があります。加えて、帯状疱疹と同じウイルスでおきる水痘もよく見かけます。典型的な症状なら、皮膚科以外の医師はもちろん、医学生や看護学生、一般の方でも診断はつくでしょう。でも、ごく初期の場合や、発疹がほんの少ししか出ていない場合には、とても悩みます。でも、そんな時の強い味方がこのツァンクテストです。必要に応じ用いています。